ベトナムの高原

ベトナム北部の霧に包まれた高原地帯の奥深くに、あまり知られていないハザン省があります。

山の斜面に沿って曲がりくねる急な道や、丘陵地に点在する山岳民族の市場が広がるこの辺境の地には、壮大な風景と受け継がれる文化、そして数多くの物語が息づいています。モン族、ザオ族、タイ族などの少数民族がこの地に暮らしており、その住居は深い谷から高い山の斜面にまで及びます。地元の人々が身にまとう色鮮やかな伝統衣装は、灰色の岩が突き出した山肌の風景に鮮烈なコントラストをもたらします。限られた農地は険しい地形に囲まれており、生活の向上は容易ではありません。

それでもなお、ハザンの人々は厳しい自然環境の中でたくましく生きています。

このシリーズでは、人と自然との複雑な関係を見つめ、ベトナム最北端の省に根ざした独特な生活様式を浮き彫りにしています。道中で出会った人々の物語に焦点を当て、その尊厳、美しさ、そして力強さを、この雄大でありながら過酷な世界の一角から伝えたいと思っています。