ゆいまーる
沖縄文化には「ゆいまーる」という基盤となる概念があります。これは、コミュニティ内での相互支援、団結、協力の重要性を強調するもので、人々が助け合うために一緒になるという考え方です。この写真集では、石垣島での2か月間の滞在中に、地元の方々に温かく迎え入れていただいた旅人としての経験を共有したいと思います。
日本最南端に位置する石垣島は、美しい自然やビーチ、豊かな文化遺産で知られる熱帯の楽園です。しかし、単なる観光地ではなく、東京や大阪のような大都市の喧騒から遠く離れた、よりシンプルで静かな生活を求めて本土から移住してきた人々が多く暮らす島でもあります。島に新しく来た人々にとって、新しい環境での生活の困難を和らげる上で重要な役割を果たすのが、包括性や統合を促進する「ゆいまーる」の精神です。この考え方は、近年島に移住してきた住民から、何世代にもわたって島に住む沖縄出身者まで、多くの人々から何度も耳にしました。
この写真シリーズの目標は、石垣島の独特な島の生活様式を本物の形で表現することでした。地元の方々の文化的アイデンティティを紹介し、撮影した人物たちに対する共感や理解、感謝の気持ちを育むことです。彼らのコミュニティ精神とおもてなしのおかげで、私は意味のある関係を築くことができ、それが写真撮影のインスピレーションとなりました。最終的に「ゆいまーる」によって、地球の反対側にいるにもかかわらず、自分が「帰ってきた」と感じることができたのです。