ユイマール

沖縄の文化にはユイマールと呼ばれる概念があります。互いに支え合い、助け合うことを大切にする考え方で、人々が集まり、互いに世話をし合うことを意味します。

この写真集は、石垣島の人々の日常の暮らしを写し取りました。ユイマールは、島の人々にとって生きることそのものを形づくっています。

日本の最南端に位置する石垣島は、ビーチやサンゴ礁、マングローブ林で知られる亜熱帯の島です。昨年、私は三か月間この島に滞在し、訪問者として来島したものの、少しずつ地域の一員として迎え入れられていきました。夜明けに神社を掃除したり、新しい友人のために夕食を作ったり、元レガッタ選手と一緒に船を出したりしました。

私の目標は、観光ではなく「本当の島の姿」を見ることでした。島を故郷とする人々に出会うことでした。出会いを重ね、そのたびに受けた温かさの中に、私はユイマールを感じました。それがこの写真プロジェクトになったのです。

ここにあるポートレートは、単なる人物写真ではありません。島と人々、そして互いを大切に思う心を映し出しています。